「ほら、やっぱり高校生にしか見えない。
少し大人びた高校生、学年に何人かはいるよな」
学校では違和感なんてなかったけれど、智也の部屋で互いが制服姿だなんて変な気分だ。
「うん…」
「緊張してる?」
「緊張ではないけど……変な感じ」
智也の言う通りかもしれない。
学校でもそうだったけれど、今だけは年の差なんて感じられない気がした。
「今は誰が見ても先生には見えねぇな」
「本当?じゃあ、今は智也の幼なじみなわけだ」
「恋人じゃなくて?」
「バカ言わないでよ、付き合ってないでしょ」
「なら恋人設定で」
“設定”をつけることによって、今この瞬間だけは何をしてもいいということになる。
なんともずるい言葉だ。
「うん、いいよ。恋人設定で」
それに乗っかる私も私なのだけれど。



