お願い、好きって言わないで。




「部屋、行くか」


洗い物が終わり、智也が私の側までやってきた。


「……もう行くの?」

いざ部屋に行くとなれば、さすがの私も緊張してしまうもので。


「早くしねぇと親、帰ってくるけど」
「それはダメだね」

もし二人で会っていることがバレたら面倒だ。
大人しく、智也の部屋へと上がる。

その時に荷物も全部持って上がった。


「制服、持って帰ってきたのか?」
「ああ、うん。クリーニングして返すの」

「なるほどな」
「何、その表情」

何かを思いついたような表情をする智也に、少なからず違和感を覚える。