お願い、好きって言わないで。




けれど智也が持つ袋を見る限り、雑誌が入る大きさではない。


「一応、ゴム買っといた。
綾ちゃんが欲しがった時用に」

「……っ、」


甘い声。
ここに来てそれを言うのか。


「あ、んたねぇ!」
「ふはっ、照れてる」

「それをどうして今言うの!そもそも必要ないから捨てろ!返品してこい!」

「返品したらイタイやつだろ」
「あんたなんて嫌い!」

後ろから智也の肩を何度も叩いてやるけれど、その手を掴まれてしまう。


「ほら、暴力は禁止。
仮にも教師なんだから」

まるで子供をあやすような優しい声に、つい大人しくしてしまう私。