「とりあえず私は年下の、ましてや幼なじみなんて興味ないの。好きになるわけないじゃない。

男として見ろって言われても、智也は幼なじみとしてしか見れない。もうこんなこと二度としないで」


思いっきり智也を押してみるけれど、彼は微動だにしない。


「へぇ。でも綾ちゃん、年下の俺に力で負けてるけど?」
「うるさい!早くどけ!」
「じゃあ…」


そう言いかけて、智也が私の両頬に手を添えた。


「俺が綾ちゃんを惚れさせてやるよ」


ニヤッと悪そうに笑う智也だけど、その姿がかっこよくて、思わずドキッとしてしまう自分に腹が立つ。

無心になろうとしたら、智也は私から離れた。


「じゃあまた明日。
黒崎先生」


最後に呆然とする私を見てふっと笑い、わざとらしく先生呼びをして、智也は部屋を出て行った。