「まじで?
綾ちゃんの手料理とか嬉しい」
すると、本当に嬉しそうな顔をする智也。
「美味しくないとか言わないでよ?」
「いや、綾ちゃんのは美味しいって食べなくてもわかる」
「何よそれ」
作る前からそんなに褒めてどうする。
けれど、そんな風に言われたら少しは張り切らないとなって思う。
先に智也が自分の家に入り、次に私が中に入った。
「……あ、そうだ」
「どうしたの?」
靴を脱ぐ前に、智也が何かを思い出したように声を上げた。
「食べ物以外にもう一個、買ったやつあるわ」
「食べ物以外?」
コンビニで食べ物以外に買うやつ、と言えば雑誌くらいしか思いつかない。



