「この欲求不満男！
あんたなんて大嫌い！」
「はいはい、じゃあ劇頑張れよ」
「言われなくても頑張るわよ！」
「今日、俺の家に来いよ。
頑張ったご褒美、やるから」
「いりません。結構です。それに明日も予定があるから、そういうことはできない」
それに、また雅さんのように拒否してしまう可能性もゼロではない。
「……俺がいつ、抱くって言った？」
嬉しそうな笑顔の智也。
はめられた。
「ご褒美、でそういうこと想像するんだ？」
「誰だってそう思うでしょ」
「綾ちゃんにご褒美何がいいか選ばしてやるから。
それ以上のことはしねぇよ」
怪しい。
智也なら最後までやりかねない。
「怪しんでる？」
「怪しんでる」
「大丈夫、綾ちゃんの嫌がるようなことはしない。
ただ、誰にも邪魔されずに二人になりたいだけ」
ここにきて優しい声で誘うものだから、ずるい。
けれど、私も智也と二人になりたいと思ったから、首を縦に動かしてしまったんだ。
