お願い、好きって言わないで。




「まあ頼まれなくてもするけど」
「……っ、や」


楽しそうな智也の声。
胸元ギリギリまで手を滑らせ、遊んでいる。

「と、智也……っ」
「どうした?」


絶対わざとだ。
こいつは私から頼まれるのを待っている。

そして頼まれるまで、この遊びは終わらないだろう。


「じ、時間が」
「なら余計に急がねぇとな?」

智也が私に求める。
ダメだ、やっぱり敵わない。


「智也、早くつけて……」

これが精一杯。
私にしては頑張った方。


「……りょうかい」

勝ち誇ったような笑みを浮かべる智也。
ああ、やっぱり彼の方が上手だった。