なんとか乗り切れたようだ。 少しして、智也が私を離す。 「行ったか」 制服効果だろうか。 なんだか青春時代に戻ったような気分だった。 「びっくりした。 綾ちゃん、本当に高校生に見えるよな。後輩かと思った」 「そうかな?」 どうやら智也でも私のことがわからなかったらしい。 本当に高校生で行けるのかな? 幼なじみの智也が言うからそうなのだろう、と思った。 それがまた自信へとつながり、上機嫌な私はあることを思いついた。