お願い、好きって言わないで。




とにかくここは逃げるが勝ちと思い、頭を軽く下げて逃げようとしたその時。


「待って」

突然腕を掴まれた。

もしかしてバレたのかもしれない。
内心、尋常じゃないくらいドキドキし始める。

「眼鏡、落としてるけど」


とりあえずバレてはいないようで、安心する私。
そして視線を下に向け、仕方なく智也の方を向く。


「ありがとうございます」


とにかく顔を見られないよう、急いで眼鏡をとろうとしたら勢いよく肩を掴まれ顔を上げさせられてしまった。

智也と見つめ合う形になってしまう。