お願い、好きって言わないで。




次の日。


「あらやだ!黒崎先生と谷原先生、まだまだいけますね!本当に高校生かと思っちゃいました~」


ただいま放課後。
一度制服を試着しようということで、ここの制服を着せられている私と雅さん。

案外まだまだいけるようで、先生方はべた褒めだ。


「俺はともかく、綾さんは絶対いけますよ」


いや、そう言っているけれど、雅さんだってイケメンの高校生にしか見えない。

まだまだ見た目も若いのだ。


「俺たちはネタになるけど、この二人は絵になるな!」


年配の先生方がそう言って笑い合う。


ちょっと待ってほしい。
本気で制服着て劇をやるの?


「明日までには台本できあがるからね」


これまた年上の先輩にそう言われ、ただただ頷くことしかできなかった。



ちなみに、智也のクラスは飲食店。
智也を大々的に宣伝するらしい。


「……はぁ」


そんなことよりも、私は劇のことで頭がいっぱいだった。


いや、劇の時だけ着るから大丈夫なはず。
何もないといいけれど。


そう思えば思うほど、何かあるもので───