お願い、好きって言わないで。




「今年の主演は黒崎先生と谷原先生に決まりですね」

「私も思いました!
二人に高校時代の恋愛ものを演じてもらいましょうか?」

「それなら制服着用して…」

「だけどそうなったら私たちも着ることになるわよね」
「それはそれで面白そうじゃないか」


なんか勝手に話進められてるんだけれど、本人たちの意見は無視で大丈夫なのだろうか。


私と雅さん、まだやりますだなんて言っていない。
もちろんそんなこと、目上の先生に向かって言えるはずもなく。


「お二人は現実でも付き合ってるからもちろんできるわよね?」


別れているって知らない先生たちは、私たちに半ば強制的に主演を任せてきた。