お願い、好きって言わないで。




その日以来、智也とは講習で会うだけで、それ以上は特に何もなかった。

もちろん目が合うだけで胸が高鳴ってしまったり、という些細なことはあったけれど。


そして夏休みが明け、三年生にとって最後の大きな行事、文化祭の準備が始まろうとしていた。


「え?まだやってるんですか?」
「そうだよ。確かまだ綾さんが高校生の時からだよね?」

「あれから評判でずっと続けてるのよ~?」


ただいま先生たちと、文化祭について会議中。
深刻な話かと思いきや、まさかの先生たちの舞台の話。


実は私が高校二年の時に始まった、舞台の最後のプログラムに先生たちの演劇を入れるというもの。

それが評判で、高三の時もやったけれど、まさか今も続いているとは思わなかった。