「イライラが収まるくらいのキス、して」
「……ふっ、りょうかい」
いちいち言わせるだなんて、意地悪な智也。
彼は満足そうに笑ったかと思うと、私をベッドまで誘導し、そして押し倒した。
「き、キス以上のことは」
「わかってるから」
智也はそう言うと、私の唇を強引に塞いできた。
まるでキスに飢えていて、深く求めるような。
智也はキスをしながら私と手を重ね合わせてきて、さらには動かないようにとベッドに押し付けてきた。
完全に智也の思うがまま。
何枚も上手で慣れている彼。
悔しかった。
年下の幼なじみの方が慣れていて、その甘さに酔ってしまう自分がいることに。
「あ……っ、んん」
角度を変えて、何度もキスされる。
息が苦しいのに、その状態で互いの舌が絡み合う。
全身が痺れるほどに感じ、そして熱が回る。
「本当に、狂わせるのが得意だよな」
今日の智也は少し余裕がない気がする。
その中で私たちは、何度もキスを繰り返し、それに溺れていた。



