智也の優しいキスに応えるようにして、彼の肩に手を置いた。
「あー、無理だ」
「え……」
「場所、移動する。ここだとキスしにくい」
キスしにくいって、そんな堂々と言われても困る。
けれど智也は一切気にせず、立ち上がった。
「ベッドの上でするか?」
意地悪な笑み。
私は首を何度も横に振る。
「絶対に嫌」
「キス以上はしねぇから」
「嫌なものは嫌」
「どうせ腰抜けるんだから、ベッドの方が都合いいだろ?」
「なっ……!」
こいつは、私を不慣れ扱いして。
「腰なんて抜けないし」
つい強気の口調で言い返してしまったのが悪かった。
智也は笑って、私の腰に手を回し引き寄せる。
「へぇ、立った状態で試してみる?」
耳元で囁く彼の吐息が、全身を震わせた。
「い、いい……ひゃ」
急いで断るけれど、彼は止まらない。
私の耳に舌を這わせてくる。
「ま、待って智也…」
どうしてこんなことを知っているのだ。
キスだってうまかったし、女が悦ぶようなことを知りすぎている。
「……っ、智也」
「何?」
もう一度名前を呼べば、ようやくそれが終わった。



