大学卒業後、母校の教師として働くことになった。


今日から始業式。
早速三年生の副担任になった私。


「今日から頑張りましょう。
ここが私たち担当のクラスです」


担任である先生が私に声をかける。
多分緊張してると思っているのだろう。


けれど私は全く緊張していないし、むしろわくわくしていた。


始業式の前に一度クラスで挨拶があるため、私と担任の先生は三年二組の教室の前で立ち止まる。


「それでは行きましょう」


担任の一言で、私たちは教室の中へと入った。


中に入ると、思っていたより教室の中は静かで。



「……え?」



それと同時に私は、驚きのあまり思わず立ち止まってしまう。

ある生徒と目が合ったからだ。
向こうも私を見て驚いていた。



なぜなら、私と目が合った生徒は───



四年前よりさらに成長して男らしくなっていた、幼なじみだったから。

そしてこれは、ほんの始まりにしか過ぎなかった。