俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

そう俺が説明すると、リーは真面目な顔になって「わかったヨ!」と大きく頷いた。

クリスタル救出の日は、少しずつ近づいていく。



私は窓の外を覗く。前を向けば森が一面に広がり、下を向けば足がすくむほどの高さだ。

私は一日中椅子に縛り付けられていた。お風呂もトイレにも行かせてもらえず、食事も摂らせてもらえなかった。おまけに部屋に誰も来ない。私は一日中もがき続けた。

椅子から解放された後は、足枷をまたつけられ、扉に鍵をかけられた。

お城の中がどうなっているのか私は知らない。なぜかお風呂場に行く時に、目隠しをされるようになったから……。

部屋にはジャックだけでなく、不良たちが来るようになった。いやらしい目を常に私に向け、怖くてたまらない。頭に浮かぶのは、ジャックに襲われそうになった時のこと。もしも襲われたら、と思うと体が震えてしまう。

「……リーバス……助けて……」

窓の外を見ていて、私の口から自然に出た言葉。リーバスを傷つけたくせに、こんな時だけ助けを求めるなんておかしすぎる。でも、いつも考えてしまうのはリーバスのことばかり。