俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

急に態度が変わった大人たちを、ジュリエットとメルはポカンとした表情で見ている。

「おい!お前ら落ち着け!」

俺がそう言うと、「落ち着いていられない!」と全員が声を揃えて言った。

「レム、説明してくれ…」

俺はレムに説明を頼み、ソファに腰掛ける。「わかった!」とレムは敬礼をし、説明を始めた。

「クリスタルさんと、ジャック・グラスはヴァイオレッド城にいることがわかりました!」

「お城…?どうしてお城ですの?」

フローレンスが不思議そうな顔をする。レムは説明を続けた。

「それはまだわかりませんが……とにかく!クリスタルさんはヴァイオレッド城にいます!」

「いつクリスタルを助けるんだネ?」

リーの質問にレムは答える。

「一週間後に城に突入する予定です。その時にリーさん!あなたにも来ていただきたいのですが…」

「私?何でだイ?」

これは、俺が刑事たちに提案したことだ。ジャックがどんな罠を仕掛けてくるか予想するしか俺たちにはできない。大罪人の巣に飛び込んで行かないといけない。どれほどの怪我人が出るか、想像もできない。

ヴァイオレッド城は、森の中にある城だ。病院から離れている。だから、すぐに治療ができるようにした方がいいと思ったのだ。