俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

イワンは無邪気に笑った。その顔はジュリエットやメルにそっくりだ。

「やっぱり親子なんだな…」

俺は、リーに抱っこされて笑うジュリエットとイワンを交互に見る。イワンは「当然でしょ。僕がお父さんなんだし!」と笑った。

「あと二人ほしいんだ!フローレンスには頑張ってもらわなきゃね〜」

「おい、二人いれば十分だろう」

そう言う俺に、イワンは「リーバスくんには言われたくないなぁ」と意地悪な目を向ける。

「君のこと、時々水晶で占ってるんだ。未来が見えるってやつね。幸せな未来が見えてたよ」

幸せな未来……。俺とクリスタルが結婚して、子供が生まれればどれほど幸せだろうか。

俺は、家族というものがあまりよくわからない。だからこそ強い憧れを持っていた。クリスタルとならきっと理想の家庭を作れると信じているんだ…。

「ありがとう…。嘘であっても嬉しいぞ」

「もう〜!嘘じゃないよ〜!」

俺とイワンがそんなことを話していると、「できましたわ〜!」とフローレンスがサーモンカナッペが盛り付けられた皿を持って現れた。