俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

冷たい目でそう言うジャックに、ますます強い怒りを覚える。

「そういうことじゃないわ!人に優しくしたり、助けたりする気持ちがあなたにはないの?」

「ない。というか、そんなものが世界を支配するのに何の役に立つ?」

「人はあなたの道具じゃないのよ!!」

「お前には関係ないだろう」

どんなに冷たい目を向けられても、今の私なら恐怖は感じない。人を人として扱わないなんてどうかしてる。

数分言い争っていたけど、先に黙ったのはジャックの方だった。

私は気にせず自分の意見を言い続ける。今しかチャンスはない、そんな気がした。

しかし、ジャックは「黙れ!!」と私を怒鳴った。びくりと体が震える。

「うるさい犬だ。しつけは大事だよなぁ?」

「何するつもり……?」

ジャックは私を掴む力を強くする。痛くて私が顔をしかめると、ジャックは嬉しそうな顔をした。

「お前はうるさいから黙っていろ」

ジャックはそう言うと、ポケットから布を取り出す。私は抵抗するが、一瞬でジャックは私の背後に回り口に噛ませる。