俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

ガラの悪そうな人たちは、全員十代くらいに見える。彼らはニヤニヤしながら私の体を見つめている。私は一瞬にして、ここから逃げたいと思った。

「こいつらは俺の協力者だ。近々、きっと警察がやって来る。その時に俺を助けてくれる奴らだ」

ジャックが笑いながら言う。私は、警察が来るという言葉に嬉しさを感じた。訓練された警察なら、きっと勝てる。この人たちには負けない。そう思う。

「これから、この城を俺好みに改造してもらう。クリスタル、お前は地下ではなく別の部屋に移ってもらう」

ジャックが不良たちに指示を出すと、「わかりました!」と不良たちは声を揃えて言い、それぞれの活動場所へと向かって行った。

「優秀な奴隷どもだ…」

ジャックの呟きに、私の中に怒りが生まれる。この人は人を操り人形のようにしか見ていない。

「ジャック!!あなたは本当に人間なの!?」

私はジャックを睨みつける。反抗したのは初めてだ。

「……どう見ても人間だろ。俺が犬に見えるか?」