俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

クリスタルは女性にしては背が高いが、俺と八センチは身長差がある。男物の服は、少しクリスタルには大きい。

火照った顔や、服からちらりと見える白い肌。俺の心の中に欲が芽生える。

女に最後に触れたのは、たしか四年前だ。酒場で会った女と意気投合して、一晩だけの関係を持った。

女を抱くのに「恋」や「愛」はいらない。互いに気持ちよければそれでいいだろう。

体が女を求めている。クリスタルは拘束されているし、俺に対して恐怖しか抱いていない。押し倒せばこっちのもんだろう。

地下へ降りると、いつもはクリスタルに足枷や首輪をつけてさっさと部屋を出る。しかし、今日はクリスタルを拘束した後も部屋にいた。

「ジャック?どうしてここにいるの?」

クリスタルが不思議そうに訊ねる。そりゃあそうだろうな。

「最近、気持ちいいことがないんだ。娼館の女を抱こうと思っても俺は犯罪者。娼館には行けない……」

俺はそう言いながら、クリスタルに近づく。クリスタルは壁際に追い詰められ、焦ったような表情を見せた。