俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

「父さん!競争しようぜ!」

「わかった!じゃああの木がゴールだな」

「私もしたいです!」

三人は一斉に走り出します。とても楽しそうです。

「まさか、アレックスが父親になるなんてねぇ」

お義母様が呟きました。私は微笑みながら言います。

「アレックスさんは、とてもよいお父さんです。子どもたちの面倒も見てくださりますし、私を支えてくれます。アレックスさんの前では、弱い自分も見せることができるんです。…本当に、私にはもったいない人です」

それを聞いて、お義父様もお義母様も、「よかった」と言われました。

桜花国とメロウ国は、とても遠く離れています。簡単に来れる距離ではありません。だからこそ、お義父様やお義母様は心配なさるのでしょう。

「お母さん!お腹空いた〜!!」

樹がそう言って、私に抱きついきました。甘えん坊なところは、アレックスに似たようですね。

「わかりました。お弁当にしましょう」

私がそう言うと、「やった〜!」とアレックスも喜びます。