俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

「父さん!兄さん!僕も終わったよ!」

九歳のグリシャが荷物を持つ。グリシャは二人目の子どもだ。運動神経がよく、活発な子だ。

「デイジー、早くしろよ〜」

「待ってよ〜」

グリシャに言われているのは、三人目の子どものデイジー。八歳。マイペースでおっとりしている女の子だ。

「クリストファー、できた?お母さんが見てあげる」

クリスタルと荷物の確認をしているのは、四人目の子どものクリストファー。四歳で、食べることが好きだ。

その時、大きな泣き声が家に響く。慌てるクリスタルに「俺が行く」と答え、俺は小さなベッドの上で泣く女の子を抱き上げた。半年前に生まれたばかりのソフィアだ。

「ソフィア、どうしたんだ?みんながいなくて寂しかったのか?」

しばらくあやすと、ソフィアはニコッと笑ってくれた。この子は将来どんな子になるんだろう。とても楽しみだ。

全員の荷物の確認が済んだので、俺たちは仲良く話しながら家を出た。

俺は相変わらず交番勤務の警察官だ。そして、世界平和対策本部の議長をしている。変わったことといえば、父になったことだろう。