俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

リーを呼ぶことも忘れ、俺はクリスタルの華奢な体を抱きしめる。俺の涙が、クリスタルの来ている服を濡らしていった。

「……よかった……。本当に…本当によかった……」

クリスタルは、俺の背中にそっと手を回す。そして俺の頭を優しく撫でた。

「……心配、かけてごめんね」

その声は震えている。俺はただ頷くしかできない。

しばらくして、アレックスたちが病室にやって来た。長い眠りから目覚めたクリスタルを見て、アレックスたちも泣いて喜んだ。

「愛の力だネ!奇跡だヨ」

リーが俺に言った。

長い悪夢は、ようやく終わりを迎えた。俺はまたクリスタルを抱きしめて、微笑んだ。



私が目を覚ましたというニュースは、全世界に伝わりお見舞いに来てくれる人が増えた。

リーバスたちはそばにいてくれて、楽しい話を聞かせてくれる。エリザベスたちは手紙を送ってくれた。

リリーはレモンパイを作って持って来てくれて、お母さんもお見舞いに来てくれた。とても嬉しい。