俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

目を固く閉じ、頭をひたすら下げ続ける俺に、アリーチェさんは「顔を上げてください」と優しく言った。

俺が顔を上げると、アリーチェさんは持って来ている自分のかばんから手紙を取り出した。

「これは、クリスタルが私に送ってくれたものです。リーバスさんと喧嘩をして家を飛び出したと書いてあったのでとても驚きました」

プロポーズの時の苦い記憶が蘇り、俺の胸が痛む。別れろと言われるのだろうかと身構える俺に、アリーチェさんは変わらず優しい目を向けてくれている。

「ここには、リーバスさんからプロポーズされたとも書いてありました。しかし、リーバスさんの幼なじみが言った言葉でどうすればいいのかわからなくなったと…」

「それは誤解です!幼なじみの口からも真実を聞きました!」

俺は必死に説明する。何も隠すことなく、少し恥ずかしさを感じながらも話した。

「俺は、クリスタルを愛しています!守れなかった俺が言うのは間違っているかもしれません。ですが、この気持ちは何があっても捨てられないんです!心から愛せる最初で最後の人なんです!!」