教室に入るなりざわつく周りの雰囲気にも少し呆れ始めてしまった。

ふぅー。

今日も朝から頑張ったね、私。


やっと席に着いて、1人になれた…

と思ったのもつかの間。

一瞬で女の子達に囲まれてしまう。


「トーカちゃん!LINE教えて欲しい!」

「え、ずるい!私も!!」

どんどんどんどん人が増えて、落ち着く暇なんて全くない。

「全然いーよ!じゃあ、だれか1人と交換するから、それをみんなで回してもらってもいい?」

「じゃぁ、私の交換しよ!」

「なんで、ミカのやつなのよ!私の方が話したこといっぱいあるし!ミカより仲良いし!」

「は?それなら私だって!」



おーーーいおいおい…

落ち着いて…。

もう、どーすればいいのこれ。

誰かぁ、助けてくださぁい…


"ガラガラガラ"


ざわつく教室が一瞬でシンと静まり返った。


私がその原因の人物に目を向けるより早く、状況は一変した。



「ぎゃーーー!!」

さっきのキャーなんて比じゃないくらい、

とにかくすっごい声がどこからともなく沸き起こった。


なにごと?

何が来たの?


少し顔を動かしてみようとするけど、女子の群れの密度が高すぎてまったく隙間という隙間がない。

誰なのかわからないけど、まぁいっか!

そんなことより、とにかく朝のホームルームが始まるまでのあと10分。

このフリーの時間を大事に過ごさないと!!