「ねぇ、隣のクラスの時岡君知ってる?」
昼休み。いつものグループでお昼ご飯を食べてる時話題に上がってきた彼の名前。もちろんドキッとした。確かに彼は爽やかでイケメンな存在で、先輩からも一目置かれてるようだし、話題になるのは仕方の無い事。
「知ってる知ってる!時岡君がどうしたの?」
「いやさ、カッコよくない??ちょっと話しかけたりしてみよっかなって思っててさ」
「まじか〜!いいね、アタックしちゃいなよ!あ~私も彼氏作ろっかな〜」
彼女達の話に混ざれなかった。「私も好きなの。ずっと好きだったの」なんて言えなかった。私なんかが好きになっても困らせるだけ。皆に無理無理って笑われるだけ。そう思うと、言えなかったしご飯の味も会話も覚えてない。

