私、火澄美桜は普通の女子高生。あの日までは―。

「おはよう」

誰もいない空間に挨拶をする。

一度大きな欠伸をして布団から起き上がる。

「火澄美桜...?」


一人の家にいる筈だ。...呼ばれた...?

柱の隙間から小さな顔が覗いている。

「きゃぁぁぁぁっ」


"それ"はこちらに走って来る。

「ひゃああああっ こっ来ないでぇっ」