佐藤くんと電車で移動し、連れてきたのは私行きつけの居酒屋。

一人でも行けるオススメの場所だ。


「ここ、よく来るんですか?」
「そうなの。ここ、料理の種類も多いしオススメなの」

「そうなんですね。確かに品数が多い気がします」


いくら後輩とはいえ、仮にも異性である佐藤くん。
そんな彼と二人で飲む、というのは少し違和感があった。



「先輩?どうしたんですか?」
「あ、いや…別に、男の人とこうして飲むのってあまりないから違和感があるなって」


そういえばここ数年、ロクに恋愛していない。
最後の恋愛は、同じ大学だった同期の男だ。

恋人関係だったけれど、お互い別々の仕事に就職したため、会う機会が極端に減り。


結局別れてしまったのだ。

それからの数年間、一度も恋愛をしていない寂しい女。