「普通に食べに行こうと……あ、安心して?
私の奢りだから」
もしかして給料前だからお金がないのだろうか。
もちろんお礼のつもりで誘ったし、後輩に払わせるなんてことはしない。
かといえ、真面目な彼のことだ、お金の管理もしっかりしているのだと思うのだが───
「先輩とご飯、一度は行ってみたかったので、ぜひ行きたいです」
すると佐藤くんは、目を細めて笑った。
嬉しそうに見えるその笑顔はどこか幼い。
可愛い表情もするんだな、と思いつつ。
確かに佐藤くんと二人でご飯は初めてだったから、どんな感じになるのかと少しワクワクする気持ちもあった。