それが例え、偽りだとしても







そんな、偽りの恋人という関係であっても、哲は優しかった。


優しすぎた。








夏祭りに海、映画やショッピング……誕生日になれば、手作りのケーキを作って祝ってくれた。



それこそ、本当に愛してくれていると勘違いしそうになるくらい。





そんな日々を過ごしていると、
なんとなく……哲は、罪悪感のような物を抱えているのだと思う。


私が打算でされたと思っていた告白も、実は成り行きで行われたんじゃないか……。そう思うようになってきた。


真緒が熱心に語っていた、恋愛相談。


きっと、アレは紛うことなく真緒の相談だったんだろう。

それが、真緒の解釈違いか何かによって紆余曲折を経て、私への告白になってしまった。



多分、着地点を見失ってしまったんだと思う。



真緒の中では私に対する相談になっていたし……。大方、真緒に尻を叩かれるような形でなし崩しの想定外な告白だった筈だ。


けれど、私が哲に好意を持っていたが故に。

そのまま恋人という関係になってしまったから……。



哲はきっと、幸せになれない。



分かってる。私のするべきこと。

哲が幸せになる為の、絶対条件。



……でも、まだ。一緒に居たいと思ってしまう。


ごめんね、哲。

まだ、私に付き合って……