事は2016年4月。俺、桜庭 颯(さくらばはやて)は隣のクラス、1-Cの藤村雨花(ふじむらうか)に入学式で一目惚れした。笑顔で友達と気さくに話す彼女にはなにか引きつけるものがあって目が合うと微笑んでくれる可愛い子だと思った。そこからいつしか廊下とかで見かけると目で追いかけるようになっていた。

雨花は顔、スタイル、性格も申し分なく、成績もトップ10に入るほど優秀な完璧女子。
対して俺は、背が高い両親の遺伝で背は高かったが、顔も普通、成績も普通、運動しかできない雨花に比べると一般的な男子中学生といったところ。
雨花は俺にとって高嶺の花…そう思っていた。

1年の体育祭。俺はリレーでアンカーを任された。1-Dは1位でバトンを繋いでいた。俺はゴールまで突っ走ってゴールした…瞬間後ろから来た別のクラスの人とぶつかり大きく転んでしまった。その時に救護室に行くと雨花がいた。
「足速いんですね!すごかったですよ!大丈夫ですか?」
と尋ねてきた彼女。初めて喋るのに緊張して赤面してしまったから、頷いた。
「ここ消毒しますね、えっと…桜庭くん?」
あ、そうです…藤村さん…
「うかでいいよ」
俺のことははやてって呼んでいいよ
「わかった!」
そう言われると俺は彼女にもたれていた。