"私は別れたくなんてなかった"

大粒の涙を流してその一言を言い

美帆は俺の手を振りほどき

保健室を出て行った。

俺はすぐに

「美帆!!」

そう叫び追いかけようとした。

だけど

「彗!!」

十数年間一緒にいる悠一が今までで一番

低い声を出して俺の腕を掴んだ。

「悠一!お前!離せよ!おい!」

「お前が今行ってどうするんだよ?
仲直りできるのかよ!?傷つけるだけだろ!」