生きてるって何だろう…

この世界は勝者と敗者の2つに1つが生まれたときから決まっているとマンガに書いてあったが、まったくその通りだ。

俺は、どちらかと言えば間違いなく後者の敗者に違いない。

ゲームやマンガやアニメが大好きで、そういった関連の仕事がしたくて入ったアニメートの店員。

が、実際は違った。
俺はゲームをやるのが好きで、マンガもアニメも見るのが好きなだけであって別に売りたい訳じゃないし、客が俺好みの物をレジに持って来なければ商品を真っ二つにして客を蹴り飛ばして帰してやりたくなる。

実際はそんな事も出来ないし、やる勇気もない。
だからって訳じゃないが、仕事はストレスの塊だ。

結局何が言いたいかと言うと、俺はわがままだ。
俺が今こうして絶賛引きこもりニート生活をしているのも、世の中が俺をこういう風に育てたと認識している。

「あー…つまんねー…」

ベッドに横になり天井を見上げてる今も思う。

"生きる"ってなんだ…

彼女もいなければ友達もいない、そもそも俺は人とのコミュニケーションがめちゃくちゃ苦手だ。

小学校までは俺もそれなりに普通の生活をしていた。
友達も多いってほどじゃなかったがそれなりに遊ぶ友達がいたが、結局"オタク"と言うのは解り合えない人種何だろう。

そこからはもう説明する間でも無い、お察しの通り世界が俺を拒絶したから俺もこの世界を拒絶したんだ。
って事にしておく。

20歳の頃、親からお金が貰えないと死の宣告を受けたからアニメートで働いたのは失敗だった。

金がなけりゃ物が買えない、物が買えなきゃ好きな事が出来ない、好きな事が出来なきゃ死んだ方がまし。

だからと言って働きたくはないのだ。
何回も言うが俺は"わがまま"なのだ。

「金もねー、働きたくねー、ゲームもアニメもマンガも買えねー…こうなったら…」

俺はタンスから昔ゲーセンで手に入れた覆面を取り出し頭から被った。

「よし、銀行強盗だ。」

…………………………………………………………………………。

「クソクソクソーーーー!!そんな度胸俺に無いことは知ってるだろーがーー!!」

覆面を地面に叩きつけ俺はうずくまる。

もはや生きた屍のようだ…

「…死のう…」

物置にあった虎ロープと椅子を持って来てセット。
ロープを天井にかけてイスに乗り、後はこのイスを蹴飛ばせば俺のこの下らない人生をリセット出来る。

はっきり言って人生に未練なんか無い。
童貞で死ぬと言う事以外は…

「去らばだ、俺の人生。そしてこんにちは、新しい人生!!
生まれ変わったらイケメンのリア充に生まれてきます様に…」

そして、俺はイスを蹴り飛ばし、首を吊った。




が、


「へぁーぶぁぁぁ!!!ぐるじー!!やっべぇぶぁ死ぬじぬー!下ぇぇ場わーぁぁぁぁぁぁぁ」

想像以上に苦しかった、なにこれ死んじゃう、いや、死のうとは思ったけどもっと楽な死に方がよかったとここに来て後悔してます。

ジタバタ動いてたら天井につけてたフックがミシミシと取れ始めた。

これだー!!フックぶっ壊して一回立て直しだー!!

「ぬぅぅえりゃーぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

左右にゆれながら天井のフックがミシミシと壊れ始める。

そして…………バッキャッ…………

「取れたー!!!!」




そのまま落下し見事にテーブルの角に頭打って死亡。

俺、平野レイの人生に幕を閉じた。

~完~