その途端、ブルっと体に甘い疼き巡り首を竦ませて震えてしまう。

「…あっ…」

どこからこんな声が出るのか不思議なくらい、か細く甘い声だった。

「本当、お前って…たまんねーっ」

そういうや否、私の唇は彼の唇に襲われていた。

「んっ…ん…ちょっ、んっ…まっ、…て…」

性急なキスで唇を貪る彼に抗議の声をあげたら、口を封じるように強引に口内に侵入してきた彼の舌が思うまま動き翻弄されていく。

私の微かな抵抗の意思は、熱っぽく見つめられながら後頭部を押さえる手と膝を艶めかしく撫でる手に諍えなくなりかける。だが、膝の上にある微かな重みが私にブレーキをかけて、彼とのキスに夢中になれなくする。

それが彼にも伝わったようで、私の下唇を強く噛んだ後キスを中断し、そらくんを忌々しく見ているが、そらくんは身動きさえしない。

「んっ、イッ…」

「…そいつをおろしてこっちに集中しろ」

「…せっかく…気持ち、良さそうに…寝ているのに、おろせないよ」

酸欠になりかけのようにクラクラする頭で、なんとか答えたが彼は気に入らないらしく、そらくんの体を持ち上げソファに置いたのだ。

そうすれば、そらくんだって目がさめてしまう。