吹き出す原因を作った私としては、クールビズのおかげで被害はワイシャツだけで済んでよかったと内心ホッとして、急いで着替えになる服とタオルを取りに脱衣所と寝室に向かった。

「はい、これで拭いて…気持ち悪く感じるならシャワーする?……バカ、なんで脱いでるのよ」

視線を上に逸らして床に座っていたはずの彼にタオルとユニセックスタイプのティシャツを渡そうとしたら、ソファに移動して座っていた高橋さんの男らしい体躯が目に入り、ドキッとして服とタオルを彼に投げ、すぐに背を向いてた。

「なんだよ…脱げって言ったの千花だろ。ふっふふ、まさか俺の裸にドキドキしてるのか?」

「うるさい…早く服着るなり、シャワーしてくるなりして来てよ」

「裸を見たぐらいでそんな初々しい反応されると、キスの先に進んだらお前どうなるんだ?」

「はぁっ?なに言ってるの?その先なんてないから」

「キス止まりなのか?俺はお前を甘やかして蕩けさせて、その先をやる気満々でお前ん家まで来たんだけどな…」

「やる気満々って…宅飲みしに来たんじゃないの?」

「そんなの口実だ。あー、本当、お前は鈍いよな。男を連れ来んだら、玄関先で早々に食われてるな…紳士な俺でよかったな」