大きな欠伸をしたそらくんは睡眠を邪魔されたとばかりに大きく体を伸ばして奥へ歩いて行ってしまった。

後を追ってついて行く私は、部屋のあちこちにそらくん用に用意したおもちゃが散乱している予想を的中させ、オモチャで遊んでくれた事に頬をゆるませる。

そらくんを飼うと決めた時、事前に、部屋の中の危険になる物は固定したり片付けておいたので被害は受けていない。

おもちゃを片付けながら、『おもちゃ気に入ってくれた?』と声をかけるが知らん顔である場所に…

ソファ横に置いてある布製の折り畳み式のマガジンラックに入り、顔と手足、尻尾をはみ出しゆらゆらと揺れご満悦の様子に、可愛いすぎて悶絶。

「そらくん、それ気に入ったの?」

声をかけるとそこから抜け出し、ソファの足の隙間に潜ってしまった。

ありゃ…

馴染みはじめてくれていたのに、失敗したと反省し、そのまま寝室に行きルームウェアに着替えてキッチンへ。

綺麗に食べられてる餌皿を洗い、晩ご飯用に新たに盛るが、まだソファの下から出てくる様子はないので、自分用のご飯を作る事にした。

ご飯と言っても、レンチンのパスタだ。

約5分レンジ前で待つ間に、ケトルで沸かしたお湯でインスタントのワカメスープを作り終えるとチンとレンジが音を鳴らした。