「私は昨日、買い物に行くために弟と二人で電車に乗ったの」

「えっ…弟と買い物……!?」

「変だって思うかもしれないけど、ウチはそういう家だから とやかく言われても困ります。 放っといてください。 ……で、その時に二人に会ったの。 仲良く喋ってるように見えたかもしれないけど、それは弟が一緒に居たからだよ」



現に、電車に乗り込んだ時点での私は 3人とは無関係だということを演じていた。

名前を呼ばれて、あっという間に関係者だと気づかれちゃったけどね。



「……確かに私はマルに「みぃ」って呼ばれたよ。 でもそれは私とマルが親しいからじゃなくて、面白おかしく呼ばれただけなんだ」

「……」

「私の小さい時のあだ名が「みぃ」で、弟がその話をマルに教えたの。 だからマルは わざとそう呼んだんだよ。 子供っぽい あだ名をからかうために」



それだけ。 たったそれだけだ。

という話を…信じてくれたらいいな……。