「トラくんとも親しそうだったしっ!! いったいどういう関係なのっ!?」



……あぁ、面倒臭いな。

本当に本当に、面倒臭い。



「……私は別に親しくないよ。 二人と親しいのは、私の弟の方だから」

「はっ?」

「私の弟が、二人と友達なの」



ごめん、和真。

面倒臭いから そっちに放っちゃうね。



「おとうと……?」

「そこに一緒に写ってるのは私の弟だよ。 結構な頻度で「姉ちゃん」って呼ばれてたけど、気づかなかった?」

「……はぁ!? そんなの知らないしっ!! ていうか全っ然 似てないじゃんっ!!」


「うん、よく言われる。 両親の良い部分は全部 弟が持っていって、私は残りカスみたいな顔なんだよね。 せめて1割くらいは私の方に欲しかったな。 って、物心ついた時から ずっと思ってるんだ」

「……っ……」

「弟は別の学校なんだけど、類は友を呼ぶ…ってやつなんだろうね。 知らないうちに二人と仲良くなってて、一緒に遊ぶこともあるみたいだよ」



淡々と言葉を繋げていく。


SNSのことは言わず、マルたちが私の家に来たことも言わない。

だけどマルとトラくんが和真と仲良くなったのは事実だし、3人が一緒に遊んだ…というのも本当の話だ。


限りなく本当に近い、嘘の話。

それを信じてもらうために、私は必死に必死に言葉を繋げ続けた。