マルは同級生の男子だけど、なんだか可愛いと思ってしまう。

初めて会った時の印象は最悪だったのに、今はマルと喋ってる時間が好きになっていた。


マルの色々な表情を見るのが楽しい。

もっとたくさん話したい。

一緒に過ごす時間が…もっともっと欲しい。


……だけど、みんなが居るところじゃ無理だ。

他人の目がある場所じゃ…マルと話せない。


マルは超絶イケメンで、人気者で、私はどこにでも居るような平凡な女で、なんの取り柄もなくて……。

私はただ楽しく話したいだけなのに、みんなの前じゃ超絶イケメンの隣になんて並べない。


昨日だってそう。

行きの電車の中で、周りの人からずっと好奇の目で見られてた。

マルもトラくんも、和真も……みんな普通に話してくれるけど、私は周りの目が気になって…普通に振る舞うなんて出来なかったんだ。


……「他人の目なんて関係ない」と思える人間ならよかった。

みんなと一緒に居ても遜色ないような人間ならよかった。

そうすれば…もっとたくさん……マルと話すことが出来るのに……。