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電車に1時間ほど揺られ、私たちはS町にやって来た。


つ、疲れた……。

何が疲れたって、時雨くん伊勢谷くんのイケメンコンビ、そして姉の私とは丸っきり似てない美形の弟 和真と一緒に行動するのが…だ。


容姿のいい男子たちは、吊革を掴んで立ってるだけでも注目の的だった。


中高生の女の子たちは小声でキャーキャー言いながら顔を赤らめ、近くに居た年上のお姉さんも急にソワソワし出して身だしなみを整え始めた。

彼氏と一緒の女性も、5歳くらいの女の子とそのお母さんも、小学生の女子グループも、おばさんもおばあさんも、みーんな3人に見惚れていたと思う。


……そんな状況なのに、超絶馬鹿は普通に私に声をかけてくるんだもん。

私が3人の連れだって周りに気づかれた時は、ほんっとうに最悪だった……。


芸能人みたいな3人と、どこにでも居るような超平凡な私。

あり得ない組み合わせを目の前にして、ザワザワしないわけがない。

しかも、「みぃ」って呼ぶなって言ったのに、超絶馬鹿は普通に呼んでくるし……。