「あ、私じゃなくて和真を撮ったらっ? 和真なら後ろ姿も映えるしっ」
「俺が撮りたいのは女子だっつーの。 あぁでも…和真に頼むのもいいかもしれないな。 夕日を見てるカップルを後ろから撮った写真って、結構多いし」
「え、カップルって…私が写るのは絶対なんだ……?」
「うん、他に頼める女子なんて居ないもん」
そんなに女子に拘らなくてもいいと思うんだけどな……。
でも すっかりやる気の時雨くんは、目を輝かせながら構図を練っている。
ほんっとうにこの人は、超絶馬鹿だ……。
「たっだいまー」
「再びお邪魔しまーす」
そして、そのタイミングで和真と伊勢谷くんが帰ってきた。
「なぁなぁ和真、ちょっと写真のモデルになってくんない?」
「うん、いいよー」
……で、詳しい話は何も聞かずにソッコーでオーケーする馬鹿弟。
これはもう…回避不能かも……。



