「いい写真だったのに」

「全然そんなことないから。 ていうか、私の顔写真がフォルダにあるとか普通に気持ち悪いじゃん」

「待受画面にしたら面白くね?」


「 絶 対 や め て 」



想像しただけで嫌になる。

ほんっとうに時雨くんは、何を考えてるんだか……。



「なぁ、みぃ。 ちょっと相談があるんだけどさ……今度モデルになってくれない?」


「……えっ、まさか私のヌードが撮りたいのっ?」

「んなもん見たくもねぇわボケ。 SNSにアップしたらソッコーでBAN食らうだろうが」



うわ。

渾身のボケだったのに光速で叩き落とされた。


ん?

SNSにアップしたら どうとかこうとか……って、まさかアップする気で言ってたの……!?



「……あの、ちょっと待って。 まさか時雨くんは、私のことを世界中に晒す気……?」

「そのまさかですけど何か?」

「いやいやいや……晒すなら自分の顔にしなよ。 私の顔を晒したら見た人が可哀想だよ。 むしろ非難轟々で私が可哀想だよ」


「顔は写さないから平気。 撮りたいのは後ろ姿だから」



……後ろ姿?