「えーっと……DMとか、家に遊びに来た時だったら「みぃ」でいいよ。 でも外で会った時はダメ。 それは守って欲しいなぁ…って思う」

「子供っぽくて恥ずかしいから?」

「うん」



あとは……誰かに見られたら嫌だから…かな。

ううん、むしろそっちの気持ちの方が大きいかもしれない。


外で「みぃ」と呼ばれたら親しい友人か何かに思われるだろうし、まかり間違って恋人だと思われたら大変だ。

その場面をファンの子たちに見られたら……多分人生が終わる。


外で時雨くんと会うのも話すのも、「みぃ」と呼ばれるのも……私にとってはデメリットしかないことだ。



「んー……なかなか面倒臭いけど、まぁいいや。 オーケー、外では呼ばないって約束するよ」

「ありがとう。 それはそうと、さっき撮った写真は消してね?」

「ちっ…覚えてたのか。 あーもう わかったわかった、そう睨むなって」



時雨くんが持つ携帯の画面を凝視する。



「はい、消去」



ボタンが押され、画像がフォルダから消えた。

ちゃんと消してくれてよかった……。