「……俺も気にしてないよ」



微笑んだ時雨くんが、ポンと私の頭を叩いた。



「じゃあな、美麗。 あとでまた写真載せとくよ」

「ん……楽しみにしてるね」

「あぁ、任せとけ」



ひらひらと手を振ったあと、時雨くんは公園を出ていった。






「円くん、いい人だね」


ベンチに座ったままだった私の隣に和真が座る。



「会いに来てよかったよ。 まぁ、姉ちゃんが一緒だったのは誤算だったけど」

「ん? 会いに来た? ……誤算?」

「俺の高校と正反対の場所にある公園に、偶然現れるわけないじゃん。 アップされてる写真を見て もしかしてと思って来たんだよ」



……え?

ちょっと待って。

「マル」がアップした写真を見て ここに来たの?


じゃあ和真は、私と一緒に居た時雨くんが「マル」だって初めから気づいてたってこと……!?



「な、なんでっ……」

「色々考えたけど、もうリアルで会っちゃった方がいいなーって思ったんだ。 こっちに会う気は無いって伝えても、マルは全然諦めなかったしね」

「……だからって、私になんの相談もしないなんて……」


「ごめんごめん。 でもね、姉弟だって言わずに済ませようと思ったんだよ」