学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です



……菜乃葉たちのそばに居る育美さんは、和真くんと目が合ったと思ったら、すぐに満面の笑みを浮かべた。

本当に、純粋に…ただ嬉しそうに。



「イクミンは、俺やトラと目が合っても あんな風には笑わねぇぞ? なぁ、トラ?」

「……そうだね。 あの笑顔は、和真くんにだけ向けられるものだと思うよ」



俺が菜乃葉に向ける微笑みも、マルが美麗さんに向ける明るい笑みも。

菜乃葉が俺に微笑むのも、美麗さんがマルに笑顔で手を振るのも。

全部「特別な人に向けるもの」だ。


育美さんは それを和真くんに見せている。

そして和真くんもまた、それを育美さんに見せた。



「……円くん トラくん、ありがとう。 俺、ちょっと育美ちゃんのところに行って話してくるね」

「おう、行け行け。 当たって砕けろー」

「あははっ、砕けないよっ」



ニコニコと笑いながら、和真くんは育美さんのところへと歩いていった。

その和真くんとは反対に、菜乃葉と美麗さんがこっちにやって来る。


どうやら、向こうは向こうで 和真くんと育美さんを二人きりにしようと考えて行動したらしい。

菜乃葉も美麗さんも、ワクワク顔だ。



……和真くんは育美さんの隣に腰を下ろし、すぐに何かを話し始めた。

内容はもちろんわからない。

だけどそれでも、和真くんと育美さんの顔は見える。