そこまで言った時、
「おーい、トラくーん」
と言う明るい声が 遠くの方から聞こえてきた。
視線を向けると、すぐに その人に気づく。
「あぁ、あれが和真くんだよ」
ブンブンと手を振る和真くんは、俺が手を振り返したのを見たあと駆けてきた。
その後ろからは育美さんも来た。
「後ろに居るのが育美さん。 彼女は「唐草 美麗」のファンで、3週間前に森林公園で会ったんだって」
「え? 学校の友達じゃなかったんだ? じゃあ、ふぉろわー…ってやつ?」
「そ。 森林公園の近くに住んでるらしくて、居場所が特定されたあとダッシュで来たみたい。 今じゃすっかり友達だよ」
「……そういう出会い方もあるんだね。 事実は小説より奇なり…かぁ」
「うん」
菜乃葉は、近づいてきた和真くんと育美さんをまじまじと見る。
そんな菜乃葉に、和真くんはニコッと笑って見せた。
「菜乃葉さん、初めましてー。 俺、早乙女 美麗の弟の和真ですっ」
「私は育美ですっ、こんにちはーっ。 円さんたちに話を聞いて、思わず来ちゃいましたっ。 あ、円さんと美麗さんも もうすぐ来ますよっ」
「ちょっと場所移動しようかーってなったから、迎えに来たんだ。 行こうっ」
和真くんが俺の手を、育美さんが菜乃葉の手を引っ張って歩き出す。
少し進むと、マルと美麗さんにも会うことが出来た。



