また、息を吐き出す。

マルは帽子を取ったあと……髪の毛を静かにかき上げた。



「……俺らは「唐草 美麗」の関係者じゃなくて、赤の他人…っていう風に やり過ごすのが1番いいんだろうな」

「ん……」

「でもさ、さっきのコメントの奴って多分男じゃん? もしも和真とそいつが鉢合わせして、「唐草 美麗」が男だってバレたら……結構ヤバい気がする」


「ヤ、ヤバいって……?」

「「騙された」って言って暴れ出したらヤバくね? 暴れなかったとしてもネットに写真ばら蒔かれるかもしれねぇし、それがきっかけで学校の奴らにもバレるかもしれないだろ?」



……そうか。

確かにそうかもしれない。


マルは和真のことを受け入れてくれたけど、他の人は…「唐草 美麗」を女子高生だと信じてる人たちは、和真を拒絶するかもしれない。