「……」
マルは、歩きながらも被写体を探している。
凄く楽しそうで…私と一緒に居ることを忘れてるんじゃないかな? なんて思ってしまうくらいに。
マルって、私のことをどう思ってるんだろう?
ただの同級生?
それとも友達?
さすがに、恋愛対象…ではないよね。
マルは「唐草 美麗」みたいな子が好き。
つまり、私とは正反対の人が好き ってことだ。
きっと友達としてだったら 好き って言ってくれると思う。
でも……恋愛対象ではない。
一緒にたくさん笑い合えるのは、私たちが友達だからだ。
LOVEじゃなくて…LIKE。
マルの気持ちと私の気持ちは別物なんだ。
勘違いしちゃいけない。
期待なんて…しちゃダメだ。
「……」
胸の奥がギュッと締めつけられる。
一緒に居られて幸せなのに、どうしようもないほどに苦しい。
望んじゃダメなのに、望んでしまう。
一緒に居られる時間を…共に過ごせる未来を……。
「美麗? おい、美麗? ……大丈夫か?」
「……えっ?」
ふと気づいた時、心配そうな顔のマルが私の真正面に立っていた。



