「……っし、じゃあここからは自由行動な。 もう少し向こうに行くと あんまり人が来ない場所があるから、昼はそこに集合でいいか?」

「りょーかいっ。 場所わかんなくなっちゃったら連絡するねっ」

「くれぐれも、他人に迷惑はかけないようにな?」


「大丈夫大丈夫。 じゃあ俺、あっちに行ってみるよ。 昼休憩の時、写真見せ合おうねっ」

「あぁ、和真に負けないくらいに良い写真を撮るよ」

「それはこっちのセリフっ」



楽しそうに笑った和真は、まるで小さな子供みたいに 目をキラキラさせながら駆け出していった。

それじゃあ俺は……和真とは逆方向に行ってみよう。



「俺たちは向こうに行こうか。 ……って、ごめん。 自由行動だから、美麗も行きたいところがあったら自由に行っていいからな?」



電車内で「写真を撮ってるマルを近くで見たい」って言われたから、すっかりその気になっていた。

でも今は自由行動なんだから、俺が美麗の行く場所を制限していいはずがない。


危ない危ない。

うっかり美麗を連れ回すところだった。



「えっと…なんかあったら すぐに電話しろよ? 俺、ダッシュで向かうからさ」

「ふふっ……ありがとう。 でも今はマルと一緒に行っていい? 初めて来る場所だし、私は和真みたいに積極的に動き回るのも苦手だし」